こんばんは。オーガニックファーム旅@愛媛県/伊予市/福岡自然農園@竹田たかひろです。
今日の作業:レモンの収穫
自給的農家と販売農家の違い
農家は、ざっくりと”自給的農家”と”販売農家”の二つに分けることができます。
細かい定義もあるのですが、ここでは細かい定義は置いておいてざっくりとしたイメージをお伝えすると、
自給的農家は自分で食べるものを作る為に農業を行い余った分を販売に回す人、
販売農家は農産物を販売して生計を立てる為に農業を行う人です。
”できる”とはどれくらいできるのか?
無農薬でも”できる”、無化学肥料でも”できる”、無除草でも”できる”、不耕起でも”できる”と言う人がいます。
それは、嘘ではないと思います。ただ、それがどれくらいのレベルの”できる”なのか?そこが不明瞭なことが非常に多い気がします。
確かに、どんなやり方でも”できる”のはできます。
極端な例ですが、
1本の木からミカンが数個しかできなかったとしても、”できた”ことになります。
できたキャベツの半分が虫に食べられていたとしても、キャベツが”できた”ことに変わりありません。
自給的農家で、年金や他からの収入があればそのようなレベルの”できた”でもやっていけるかもしれません。
でも、”販売農家”であれば、その程度のレベルの”できた”では食べていくことはできないかもしれません。
農業を始める前に、自分は自給的農家になるのか、販売農家になるのかを考えることは大事だと思います。
ちなみに福岡自然農園は販売農家です。
長年掛けて培ってきた技術・ノウハウで良いものを作っておられています。
また、気候や土壌などの条件が違えば、”できる”と言っている人のやり方でできない場合もあります。
耕作放棄地になり数十年間何も作物が植えられていなかった場所でやるのと何十年も有機農業がされてきて良い土ができている場所でやるのとでは環境は大違いです。
福岡自然農園は、何十年もかけて良い土を作ってきました。
もう一つ言うと、”見てくれが良くないものでも買ってくれるお客さんがいるかどうか”も重要です。
”できる”し”食べていける”と言う人には見てくれが良くなくても買ってくれるお客さんがいることが多いです。
自分にはそういうお客さんはいるのか?を考えることも重要ですね^^
福岡自然農園には自然環境を良くしたいという理念に共感し、見てくれよりも味を重視するお客さんがついています。
”できる”という言葉をそのまま鵜呑みにすることは危険だと思います。
自分の必要とするレベルでできるのか、自分の圃場でもできるのかを十分考える必要があると思います(やってみないと分からないことが多いでしょうが(^^;))。
“できるだけ自然に近い農業を行う”ことと“農業で生計を立てて生きていく”ことを両立する
休憩中や仕事をしながら、雅人さん・大樹さんとお話をさせて頂きました。
僕が感じた中で一番印象に残っているのは、
“できるだけ自然に近い農業を行う”ことと“農業で生計を立てて生きていく”ことを両立することは決して簡単ではないということ。
けれども、福岡自然農園では正信さんの教えや今まで50年程やってきた経験・ノウハウ、そして長年掛けて作ってきた良い土を活かして自分たちのやり方でそれを実践しているということ。
そしてこれからも自分たちが目指す理想的な農業を実践する為に挑戦し続けるということ。
その想い、その姿が強烈に頭の中に残っています。
簡単なことではないけれども、僕も自分のやり方で自分の理想とする農業を目指していきたいと思いました。