悲劇のヒビあり紅心大根の話『ベニー、許せ。お前は連れて帰れない。』『父さん!なんで!?置いてかないで!』

紅心大根

こんばんは。オーガニックファーム旅@千葉県/印旛郡栄町@竹田たかひろです。

 

インスタ映えする紅心大根

紅心大根

紅心大根

今日は大根の収穫を行いました。収穫したのはちょっと変わった大根で、紅心(こうしん)大根と言います。

外側は普通の大根のように白く、中は紅色ですごく鮮やか完全にインスタ映えするやつです。笑

 

生で食べても甘くて美味しい!

紅心大根紅心大根

生で食べても甘くて美味しい!ボリボリいけちゃいます。サラダで食べてもよしです。

 

紅心大根の収穫

紅心大根の収穫

簡単に抜けるのでホイホイ抜いていきます。そして頭の葉っぱとおしりの根っこをナイフでその場で切り落とします。それからコンテナに入れて家に持って帰ります。

8月頃から3か月程かけて手塩にかけて育ててきた紅心大根農家さんは作物のお父さんみたいな存在です

でも全ての子がお父さんと一緒に帰れる訳ではないんです。せっかく大きく美味しく育ったにも関わらずお父さんに持って帰ってもらえない子たちもいるんです。

 

収穫してもらえないヒビあり紅心大根

ヒビあり紅心大根

ヒビあり紅心大根

ヒビがあったり傷がついたものは、ほとんど持って帰ってもらえません。なぜなら、消費者はきれいな野菜を選んで買う為、このような野菜は売れないのです。

直売所で販売しても売れ残ってしまったりするので、始めから持って帰らないのです。

 

畑に取り残される紅心大根

畑に取り残される紅心大根

しっかりと育ったのに畑に残されたままの紅心大根たちは、どこか寂しそう。僕の目にはこんな風に映りました↓

※紅心大根→ベニー、農家さん→父さんと呼びます

ヒビありベニー
さあ、僕もやっとここまで大きくなった。父さんに連れて帰ってもらい、旅立つんだ。
父さん
よし、今日の収穫はここまで。たくさん取れたな。さて帰るか。
ヒビありベニー
あれ?父さん!僕を忘れてるよ!僕しっかり育ったよ!連れて帰ってよ!
父さん
いや、お前は連れて帰れない。
ヒビありベニー
え、、。何で!?何で僕はダメなの?
父さん
確かにお前はよく育ち、うまいと思う。でもお前にはヒビがある。
ヒビありベニー
え、何でヒビがあったらダメなの?ちょっとヒビがあるだけで味も変わらないのに!
父さん
そんなこと分かってる!でも売れないんだよ、見た目が悪いと。出すだけ無駄なんだ。お前は畑の肥料となってくれ。許せ、ベニー。
ヒビありベニー
ここまで3カ月もかけて頑張ってきたのに、、ひどいよ父さん。待ってよ!置いてかないでよ父さん!父さあああん・・・!!

 

『父さんひどい!ベニーが可愛そう!』『連れて帰って売ってあげてよ!』『食べ物がもったいない!』との声も聞こえてきそうですが、売れないんです。手間をかけて収穫して販売しても。

売れないのは、僕ら消費者が買わないから。つまり、ヒビありベニーが置いていかれたのは、僕らのせいでもあるんですよね。

どうしても、見た目が良いものと悪いものが一緒に並んでいたら良い方を選んでしまいます。でも、味は変わらないんです見た目が少々悪くても、気にせず買っていいんだと改めて実感させられた日でした。

紅心大根